浜の大将・石森裕治(57)
とにかく、動いてる。
鹿立浜に着くと、大将は忙しく動いてた。まぁ、この人は、忙しくなくても動いてる。浜と仮設住宅の間を、軽トラで、行ったり来たり慌ただしく動いてる。

見た目はクマみたいなのだが、動きはリスみたいなのだ。で、顔を合わせたら『ど〜も、お久しぶり』もなく、いきなり
『はい、したら、そのカゴの中の牡蠣を101個づつ、この発泡スチロールに詰めてって』
と。そんなワケで、急遽、東京に発送する牡蠣を梱包するお手伝い。


箱詰め作業が終わると、石森さんの仮設住宅へ。と、その前に。
『ちょっと、ナマコ、もらってくっから、待ってろ。』

『おっきいヤツある?』

で、ナマコをゲットしたら、次は畑へ。
畑の木戸を、不器用にこじ開けて入っていく。

同じ仮設住宅のおばちゃんに

大将『大根、まだあったべ!』
おばちゃん『そこらに、ないかい?』
大将『どこどこ?』
おばちゃん『そこ、あんでしょ?』
大将『あ~コレかい!あったあった。』
で、大根2本引っこ抜いて、まずは、よっさんとグッチ〜を連れて高台移転の場所へ。


『ここに、家建つべ!そこらへんが駐車場で、ここら辺が客間で・・・』
と、楽しそうに話してくれる。
ようやく、石森さんの仮設住宅におじゃまして、お土産に買ってきたケーキをガチでジャンケン。
まさかの勝者・石森さん。

『これ、ここ置いとくがら、取ったらダメだべ。』

僕らから離れた場所にケーキを置いていった。
落ち着くまもなく、台所でナマコのさばき方を講義しながら、器用に料理する。浜のオトコの豪快な料理というよりは、顔に似合わない繊細な料理と味付け。


『よし、食うべ。』
大根おろしをタップリ取り分けて、ひとりひとりに醤油とお酢をかけてくれる。そして、ダレよりも先に食べて

『うんめぇ〜!ナマコと大根おろしが見事にコラボレーションしてるべ。』
とにかく、いちいちオモシロイ、そして、いちいち笑う。
大将『このナマコ、美味しさが出る秘けつ、なんだか分かる?』
と、石森さんの大好きなクイズコーナーが始まる。クイズには答えなければいけない。
オレ『新鮮さですか?』
大将『ハズレ』
オレ『鹿立(すだち)のナマコだから。』
大将『はぁ〜?なに言ってんの』
で、答えがわからず『なんで、美味しいんですか?』と聞くと、大将は、そのイカツイ顔で
大将『包丁で切りながら、一生懸命、愛情込めてるからだべ。』
はぁ〜?なんや?なんや、その、ベタなセリフは!
部屋の壁には、僕らが送ったり、公演の時に持って帰ってくれたりしたものが、いっぱい貼ってる。他の人の写真もあるので、ここには写せないが、手前の壁には、写真がいっぱい貼ってる。

僕らや、ナオトや、他のボランティアのオトコと写ってる写真の表情と、女子と撮ってる写真の表情が全く違う。こんなに感情が分かりやすい顔も珍しい。
石森さんとは、楽しい話になる。楽しい話だから、時間もアッという間に過ぎる。
カツオの話。
シラスの話。そのシラス漁の時に現れた鯨の話。
オットセイの話。
金華山の戻りカツオの話。
凪(なぎ)より穏やかな波の状態をカガミという話。
そのカガミで船酔したよっさんの話。
もちろん牡蠣の話。
そして、高台移転の話をする。
楽しい話で、楽しい時間なのだが、震災から4年が経っても石森さんは仮設住宅で暮らしている。震災前に奥さんを亡くされていて、ひとりで暮らしている。狭い台所で料理をしてる。
狭い台所でも、嬉しそうに僕たちのためにナマコを料理してくれる。

今日が誕生日の石森さんの息子の隼人くんとも、久しぶりにいろいろ話せて、帰り際に久しぶりな浜の人たちにも会えた。石森さんは
『もぉ、いまっから、紀伊國屋ホールの舞台を楽しみにしてっから。』
と言ってくれる。この浜には応援してくれてる人がたくさんいる。
今日も食べっプリンスのウマイモノマップを作るので、石森さんのナマコ料理と浜の話をご馳走になって市内へ戻る。
石森さんは、明日の仕事までは、仮設住宅で、テレビを見たり、メシを作ったり、高台に建てる家を想像して過ごしているのだと思う。
4年が経とうとして、まだ、たくさんの人が仮設住宅に住んでいます。
高台移転が決まった石森さん。いまだ高台移転が進まない人たち。仮設住宅でひとりで暮らしてるおじいちゃんやおばあちゃんがいます。
僕たちが見てきたこと、感じてきたことを届けたいと思っています。とにかく、たくさんの人に【イシノマキにいた時間】という舞台を見てもらいたいと思うのです。
お待ちしてます。
舞台【イシノマキにいた時間】紀伊国屋ホール公演のメルマガ先行予約は明日からです。
詳しくは、メルマガ登録(ページの一番下から)・・・コチラ
鹿立浜に着くと、大将は忙しく動いてた。まぁ、この人は、忙しくなくても動いてる。浜と仮設住宅の間を、軽トラで、行ったり来たり慌ただしく動いてる。

見た目はクマみたいなのだが、動きはリスみたいなのだ。で、顔を合わせたら『ど〜も、お久しぶり』もなく、いきなり
『はい、したら、そのカゴの中の牡蠣を101個づつ、この発泡スチロールに詰めてって』
と。そんなワケで、急遽、東京に発送する牡蠣を梱包するお手伝い。


箱詰め作業が終わると、石森さんの仮設住宅へ。と、その前に。
『ちょっと、ナマコ、もらってくっから、待ってろ。』

『おっきいヤツある?』

で、ナマコをゲットしたら、次は畑へ。
畑の木戸を、不器用にこじ開けて入っていく。

同じ仮設住宅のおばちゃんに

大将『大根、まだあったべ!』
おばちゃん『そこらに、ないかい?』
大将『どこどこ?』
おばちゃん『そこ、あんでしょ?』
大将『あ~コレかい!あったあった。』
で、大根2本引っこ抜いて、まずは、よっさんとグッチ〜を連れて高台移転の場所へ。


『ここに、家建つべ!そこらへんが駐車場で、ここら辺が客間で・・・』
と、楽しそうに話してくれる。
ようやく、石森さんの仮設住宅におじゃまして、お土産に買ってきたケーキをガチでジャンケン。
まさかの勝者・石森さん。

『これ、ここ置いとくがら、取ったらダメだべ。』

僕らから離れた場所にケーキを置いていった。
落ち着くまもなく、台所でナマコのさばき方を講義しながら、器用に料理する。浜のオトコの豪快な料理というよりは、顔に似合わない繊細な料理と味付け。


『よし、食うべ。』
大根おろしをタップリ取り分けて、ひとりひとりに醤油とお酢をかけてくれる。そして、ダレよりも先に食べて

『うんめぇ〜!ナマコと大根おろしが見事にコラボレーションしてるべ。』
とにかく、いちいちオモシロイ、そして、いちいち笑う。
大将『このナマコ、美味しさが出る秘けつ、なんだか分かる?』
と、石森さんの大好きなクイズコーナーが始まる。クイズには答えなければいけない。
オレ『新鮮さですか?』
大将『ハズレ』
オレ『鹿立(すだち)のナマコだから。』
大将『はぁ〜?なに言ってんの』
で、答えがわからず『なんで、美味しいんですか?』と聞くと、大将は、そのイカツイ顔で
大将『包丁で切りながら、一生懸命、愛情込めてるからだべ。』
はぁ〜?なんや?なんや、その、ベタなセリフは!
部屋の壁には、僕らが送ったり、公演の時に持って帰ってくれたりしたものが、いっぱい貼ってる。他の人の写真もあるので、ここには写せないが、手前の壁には、写真がいっぱい貼ってる。

僕らや、ナオトや、他のボランティアのオトコと写ってる写真の表情と、女子と撮ってる写真の表情が全く違う。こんなに感情が分かりやすい顔も珍しい。
石森さんとは、楽しい話になる。楽しい話だから、時間もアッという間に過ぎる。
カツオの話。
シラスの話。そのシラス漁の時に現れた鯨の話。
オットセイの話。
金華山の戻りカツオの話。
凪(なぎ)より穏やかな波の状態をカガミという話。
そのカガミで船酔したよっさんの話。
もちろん牡蠣の話。
そして、高台移転の話をする。
楽しい話で、楽しい時間なのだが、震災から4年が経っても石森さんは仮設住宅で暮らしている。震災前に奥さんを亡くされていて、ひとりで暮らしている。狭い台所で料理をしてる。
狭い台所でも、嬉しそうに僕たちのためにナマコを料理してくれる。

今日が誕生日の石森さんの息子の隼人くんとも、久しぶりにいろいろ話せて、帰り際に久しぶりな浜の人たちにも会えた。石森さんは
『もぉ、いまっから、紀伊國屋ホールの舞台を楽しみにしてっから。』
と言ってくれる。この浜には応援してくれてる人がたくさんいる。
今日も食べっプリンスのウマイモノマップを作るので、石森さんのナマコ料理と浜の話をご馳走になって市内へ戻る。
石森さんは、明日の仕事までは、仮設住宅で、テレビを見たり、メシを作ったり、高台に建てる家を想像して過ごしているのだと思う。
4年が経とうとして、まだ、たくさんの人が仮設住宅に住んでいます。
高台移転が決まった石森さん。いまだ高台移転が進まない人たち。仮設住宅でひとりで暮らしてるおじいちゃんやおばあちゃんがいます。
僕たちが見てきたこと、感じてきたことを届けたいと思っています。とにかく、たくさんの人に【イシノマキにいた時間】という舞台を見てもらいたいと思うのです。
お待ちしてます。
舞台【イシノマキにいた時間】紀伊国屋ホール公演のメルマガ先行予約は明日からです。
詳しくは、メルマガ登録(ページの一番下から)・・・コチラ
| ヒトリゴト | 10:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
いしのまきのあさ(01/23)
レンメイ(11/07)
cherrysgarden(11/03)
ソレイユ(11/02)
(11/02)
Nom(10/19)
あゆみ(10/17)
ゆう(08/10)
じゅんまり(08/09)
ゆっち(08/08)