夜ミーティングのシメ。
作業が終わって8時を過ぎると各作業の責任者のメンバーが
廣山(こうざん)という拠点のひとつに集まってくる。その
数は、多い時で30人程度。
作業が長引いたりすると遅れてくる者もいたりする。そして
報告が行われていく。
クリーン作業では・・・
何件のお宅で泥出しや瓦礫の撤去を行い、どこの側溝作業が
完了したか、など。
キッチンは・・・
どこに、どんな献立で炊き出しをしてきたか、何月何日には
◯◯地区の炊き出しが、終了することになった、など。
ダニバスターズは・・・
どこの避難所の布団を乾燥させて、布団の交換をしてきたか
など。
漁業支援は・・・
どこの浜の瓦礫撤去をして、どこの浜の漁具を回収してなど。
10チーム程の報告がある。
その中には、ちょっとしたトピックスなどもあったりするが
今日は漁業支援のチームのトピックス。
帰りに大雨の中、老夫婦の乗った軽トラが、道路脇の側溝に
はまって脱輪してたらしい。
側溝って、基本的には、道路に沿っててこんな感じ。

なので脱輪するといっても、前輪の左だけ脱輪っていうのが
多かったりするのに・・・なぜか、その老夫婦の軽トラは
前輪、ダブルで脱輪つまり、側溝に向かって垂直方向に脱輪という、どうやって
脱輪したのか分からない離れ業をやってのけてたらしい。
その状況を説明。
「雨の中、車を止めてジャッキを持って来たり、
いろいろやってたんですが、そうこうしてたら
モッちゃんが持ち上げて ました」
モッちゃんは、デカイ。それぞれのパーツがデカイ。


デカイ男は、寝ててもデカイ。
まぁ、この男なら、軽トラどころか、ベンガルトラ程度なら
持ち上げそうだ。
そんなオモシロ報告が終わって、夜ミーティングも終わるの
だが、最後に【シメのコトバ】っていうのがある。その日に
あった出来事、出会った人の事、普段思ってる事、なんでも
いいのでみんなに話して終わる。
今日は、明日帰るレノンちゃん(日本人)が、挨拶も兼ねて
シメることになった。4月に初めて石巻に入って、その後、
帰ってから、5月末にカムバック。そっから3ヶ月以上の間
ずっと石巻にいた。その間、レノンちゃんは、ずっと
漁業支援をやってきた今日もドロッドロになって、パンツも膝のあたりをガッツリ
破れて帰ってきた。
そもそも日本人なのに、なぜレノンなのか?レノンちゃんの
苗字はヤノ。4月に来た時には別のヤノさんがいた。名前は
ようこ。これまた別のようこちゃんがいた。それで・・・
やのようこ ~ やのようこ ~ おのようこ
おのヨーコ ~ ジョンレノン、そして・・・
レノンに決定ムリヤリにも程があるな・・・。
そんなレノンちゃんが、何ヶ月ぶりかに横浜に帰るので、その
シメのコトバ担当。ダレかが帰る時は、だいたいその人が担当
する。
ダレが帰る時も、それはやっぱり寂しいもんだが、長く石巻に
いて、毎日ドロッドロで帰ってくるレノンちゃんだと、それは
また、かなり思いも上乗せされたりして
みんなもこんな雰囲気になったりする。ただ、みんな以上にレノンちゃんは、作業から
帰ってきた時より
ドロッドロッの顔になってた。
そんなレノンちゃんは、アーティストで、横浜に帰ってからは
創る仕事をすると言ってた。ただ、この3ヶ月間は、漁師さん
たちと一緒に、主に瓦礫の撤去作業をやってきた。
で、レノンちゃんのシメのコトバ・・・
「ずっと壊して捨てる作業をしてきました。だから
創るコトの大切さを感じて、これからのモノ創りに
取り組みます」
と。素敵なコトバだと思った。そして、いつものように最後は
「今日も一日おつかれさまでした。
明日も一日よろしくお願いします」
いつものコトバでシメた。明日、作業をせずに帰るレノンちゃん
だが、たぶん彼女の中では、いつもと変わらず、いつまでも
「明日もよろしくお願いします」なのだろうな。と思った。
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